どんなピアノにも対応するためにはどんな種類のピアノで練習すべき?

ピアノをやっているみなさんは、普段どんなピアノで練習していますか?
私の教えている生徒さんの自宅のピアノはどんなものかリサーチしてみたところ、幼児〜小学生が多いので電子ピアノが圧倒的に多かったです。
やはり、まだ小さい頃はピアノを長く続けるかわからないし、近隣への音の配慮や経済的な面からみても、電子ピアノを選ぶご家族が多いようですね。
小学生になってくると「教室や学校のピアノと全然違う。電子ピアノじゃものたりない!」と言っている生徒さんも多いです。
大人の生徒さんでも自宅は電子ピアノの方はたくさんいらっしゃるようですが、趣味でもかなり本気な方は、グランドピアノがお家にあるという方もいらっしゃいます。
ではどんなピアノで練習するべきなのでしょうか?
理想は、プロの調律師によってきちんと調律された、質の良いグランドピアノに毎日触れることです。
以前の記事でも紹介しましたが、アップライトピアノとグランドピアノの差はとても大きいです。
ましてや、電子ピアノは機械ですので、本来のものとはかけ離れてしまいます。機械は同じ型のものであれば全く同じものですが、本来のグランドピアノは生き物ですので、同じ型でもタッチや音色が全然違います。
グランドピアノを購入する際は、大きな買い物ですし、ピアノによって質はそれぞれですので、実際に複数のグランドピアノを弾き比べて好みのものを決める「選定」というものが行われます。
ですので、それぞれが世界に一つだけのピアノなのです。
ピアノはフルートやバイオリンのように自分のものを持ち運べないので、自宅のピアノ、練習室のピアノ、舞台のピアノ、それぞれの楽器に対応しなければなりません。
楽器の大きさ、弾いたときに重いか軽いか、製造の会社、音質、調律ができているかなど、千差万別です。ピアニストはさまざまなピアノに対応しなくてはなりません。
発表会、演奏会、コンクールなどで弾くピアノはどんなピアノか、弾いてみないとわかりません。
沢山の舞台を踏んでいると、このピアノ、弾きにくいなあ、と感じることも当然あります。ですが、弾きにくいと感じるとそれが気になりストレスとなり、良いパフォーマンスが出来なくなってしまう恐れもあります。そういう意味では、ピアノに対して鈍感になることも大切かと思います。
ある世界的なピアニストが、小さなおうちでピアノをお披露目したときに、かなり年季の入った音の悪いアップライトピアノでの演奏でしたが、そんなことは気にならないくらい美しい演奏だったそうです。
本当にピアノが上手な人は、どんなピアノにも対応できて良い演奏ができるのでしょうね。。
どんなピアノにも対応するためには、自宅のピアノはできる限り質のいいものを選び、良いピアノで良い演奏をすることだと思います。
反対に本番がどんな悪いピアノでもいいようにあえて悪いピアノに…といった話を聞いたことがありますが、それは逆効果だと個人的には思います。
ご自身の状況や環境に合わせた上で、できる限り良質なピアノに普段から触れることが大切ですね。