ラフマニノフから学ぶ、悔しい思いはしたほうがいい!失敗は成功のもと
ラフマニノフを知っていますか?
19世紀から20世紀にかけて活躍した、ロシア出身の作曲家です。
ラフマニノフは数々の作品を残していますが、その中でも代表的な「ピアノ協奏曲第2番」は素晴らしく、私も大好きな作品のひとつです。
この曲は「のだめカンタービレ」で千秋先輩がピアニストとして演奏したこともあり、かなり有名になりましたね。
100年以上経った今でも、こんなにも多くの人から愛されているラフマニノフの名曲たち。
今となっても色あせないってすごいことだと思います。
ピアノ協奏曲第2番の魅力
ピアニスト辻井伸行さんの演奏がお気に入りなので載せます。
この曲は3楽章まであります。
1楽章、真夜中に波がおしよせるようなイメージ。当時ラフマニノフが感じていたであろう
悲しみや憎しみなどが忠実に表現されていると感じます。
2楽章は美しい女神があらわれるようなイメージ。優しく包み込んでくれるような穏やかなメロディが流れます。
夢の中にいるような、とても幸せな気分になります。
3楽章では希望が見え隠れし、暗闇のどん底から徐々にはい上がって行き、最後には洗練されたハ長調の力強いメロディを奏で、
これからも強く生きていこう!というような勇気をもらえます。
こういった素晴らしい曲を聴くたびに、言葉は一言も語られていないのに、音だけでこんなに物語があって説得力があって、
心が動かされたり涙がでるのはなぜだろう?といつも思います。
音楽の力ってすごいですよね。
ロシア音楽は重厚感があって聞き応えがあります。
フランス音楽のふわふわと流れる感じも好きなのですが
ロシア音楽独特の、重たくて、でも高音はキラキラと星のように美しくて、そんな雰囲気が大好きです。
情熱的で、ものすごく生命力を感じます。
ロシア音楽の中でも特にラフマニノフは
私が大学生の頃、友達の間でも話題にあがったり、演奏している人も多かったこともあり、周りに影響されてどっぷりハマってしまいました。
学校帰りの電車の中でもよく聴いていました。
ラフマニノフの音楽は、疲れた心、傷ついた心にすごく沁みます。。
私にとってのイメージですが、ラフマニノフを聴くといつも「真夜中」を連想します。
彼の音楽ベースは、いつも真っ暗闇で、黒いマグマのようなものが渦巻いているのですが、そんな闇の中からも希望の光を見出してくれるときがあります。
ラフマニノフは音楽に自身の心そのものを写し出していると感じます。
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ラフマニノフの失敗と成功
そんな天才ラフマニノフですが、このピアノ協奏曲第2番を作曲する前には大失敗を経験しています。
ラフマニノフは、ピアノ協奏曲第2番の前に交響曲第1番を書いています。その初演で大失敗をしてしまいます。
失敗の原因はというと
指揮者をつとめたグラズノフという人が曲を理解できていなかった、
全体的に演奏がうまくいかなかったなどなど、色々な説があります。
なので、ラフマニノフの作曲センスが悪かったことだけが原因というわけでもなさそうですが、
彼はこの失敗で数々の有名作曲家から酷評を受け、ノイローゼになってしまうのです。
実際、ウワサの「交響曲第1番」とはどんな曲なのでしょうか?
聴いてみましょう。
この曲はかなり賛否両論わかれると思います。
一言でいうと、難しい。。
一般的には理解しがたい曲だと感じます。
不協和音が続くし、聞きづらい。
ラフマニノフらしさはところどころ醸し出ているし、
ロシア独特の宗教的な響きや民族的な響きが散りばめられていたりと、
とても芸術的だと思うし、追求していくと非常に奥が深いのですが、
一度聴いただけではこの曲を理解することは難しいです。
ツウな人向けというイメージですね。
現在ではラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を先に聴いてから交響曲に出会う、という方が多いかと思いますので、
そうすると尚更この曲の魅力が薄れてしまう、ということもありますが、それにしても難解な曲ですね。
実際には交響曲第1番(1895)→ピアノ協奏曲第2番(1900-1901)の順番で作曲されました。
彼は一度は交響曲第1番での失敗で鬱状態になってしまいますが、それを乗り越えたことでピアノ協奏曲第2番で成功することができました。
一度どん底に落ちたからこそ、ラフマニノフは飛躍的な成長をとげて素晴らしい曲を生み出すことができたのです。
交響曲第1番で失敗していなければ、ピアノ協奏曲第2番はこの世に生まれていなかったかもしれませんね。
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失敗と成功について考えよう
さて、ここでまた、失敗と成功について考えてみましょう。
あなたの今までの人生振り返ってみて、いかがでしょうか。
今までの人生、成功ですか?それとも失敗でしょうか?
考えてみてください。
人によって成功と失敗の定義は異なると思いますが、
私にとっての成功はこんな感じです。
テストでいい成績をとったり、志望校に合格したり、就職の内定をもらったり、資格や賞をとったり。
恋人ができたり結婚したり。
他にも成功はあらゆるところにあり、気がつかないうちに小さな成功をしているということもあるのではないでしょうか。
それとも、うまくいくとすぐに調子にのってしまうところがあったり。。。
反対に、失敗にはものすごく敏感なのが人間です。
どんなに些細な失敗でも、落ち込みます。
ショックの大きい失敗もあります。
不合格、不採用、リストラ、破産、失恋、離婚。。
生きていると色々な失敗がありますよね。
ちなみに私はというと、今までの人生、うまくいったりいかなかったり、成功と失敗の繰り返しです。
うまくいかないことの方が多いかもしれません。
でも、三歩進んで二歩下がる。そうして少しずつ成長していってる気がします。
時には成功が続いて有頂天になってみたり、時には失敗が重なり泣いたりもがいたりしながら、日々あらゆる形の成功や失敗を繰り返して、人は生きていくんですよね。
そう思うと、失敗って成功したときにお調子者になりすぎないためのブレーキのようなものなのかなって思ったりもします。
まさに「人生山あり谷あり」。
成功することは素晴らしいことです。
その成功の大きさによってはラフマニノフのように歴史に深く刻み、今となっても愛され続けることになる可能性だってあります。
でも、一度成功したからといってその人のずっと幸せが続く保証はどこにもなく、失敗はまたやってくるし、逆に失敗をすることで新たな成功への兆しがみえてくる。
そう考えると、大切なことは失敗や成功うんぬんよりも
「自分はどう生きたか、どういう風に歩んできたか」ということなのではないでしょうか。
うまくいかず落ち込んだ時には、ポジティブになってまた頑張れるように誰かに背中を押してもらったり、励ましてもらうことが必要で
成功して調子に乗った時には、放っておけばこれが永遠に続くわけじゃないという危険信号を誰かに発してもらうことが時には必要で。
人は一人では生きていけなくて、大切な仲間とともに、険しい道やなだらかな道に一喜一憂しながら歩んでいくのですね。
それを繰り返すことで毎日が充実していき、「幸せ」につながるのだと思います。
おまけ:本日の椿の演奏動画
今日の演奏動画はラフマニノフ作曲、「楽興の時」第1番。
この曲はあまり知られていませんが、すごく好きです。
でもいざ弾いてみるとめちゃくちゃ難しかったです。
表現のしかたもテクニックも。
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