のだめカンタービレを元音大生が読んで 6巻のあらすじ・曲目解説・感想

・のだめカンタービレ(二ノ宮知子) 6巻のあらすじ
学祭のときの千秋のピアノ演奏(ラフマニノフピアノ協奏曲)が大好評、雑誌「クラシック・ライフ」に掲載され、更に注目をあびるようになりました。
彼は優秀なピアノ科だけれど将来の夢は指揮者になること。
周囲からの期待も強く海外で羽ばたく力は十分にあるのに、千秋は船と飛行機恐怖症のため、日本から出られず。。
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大学院に残ることにしたが、そんな矢先実家から「帰ってきなさい」と連絡が。
なぜかのだめも付いてきて、まさかの千秋の実家へお泊まり。
のだめはそこでもお騒がせ行動をしてしまうが、持ち前の明るさで乗り切り、結果的には千秋の親族とも仲良くなってしまいます。千秋は叔父から、音楽なんてやらずに家の会社を継いでほしいとお願いされ、反対しますが、千秋のヴァイオリンとのだめのピアノのアンサンブルを聴いて感動した叔父は見直します。千秋は今後もこの小さな日本のみで活躍していくこととなるのでしょうか?
・のだめカンタービレ6巻に登場する曲目解説(4曲)
①リスト メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
千秋が卒業試験で演奏する曲。
ピアノ曲としてもオーケストラとしてもよく演奏されます。
リストは詩人ニコラウス・レーナウの叙事詩「ファウスト」に強く惹かれ、この作品を書いたと言われています。
ピアノ版は、弟子のカール・タウジヒに献呈されました。
ワルツというと舞踏会での優雅な3拍子をイメージしますが、この曲はとにかく激しく、狂っているような難曲で、とても優雅には踊れません。
②アンドレジョリべ 打楽器協奏曲(1950)
真澄ちゃんが卒業試験で演奏した曲。
ピアノ伴奏者が当日急病となり、急遽千秋が伴奏者をつとめることに。。
ジョリべという作曲者は一般的には知られていないものの、音大に通っている当時よく耳にした名前でした。
この曲はもともとパリ音楽院の試験のために作られたものです。
打楽器協奏曲の中では有名で、音大の試験やコンクールではよく取り上げられます。
彼は「音楽のジキルとハイド」と呼ばれるほど、それぞれの作品にさまざまな人格をあらわします。
この曲も、クラシックだけでなくジャズや民族音楽など、さまざまなエッセンスを取り入れた作品となっています。
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③フランク ヴァイオリンソナタ(1886)
千秋の実家に帰った際、のだめが見つけたCDの曲。
フランス系ヴァイオリンソナタの最高傑作と言われています。
楽章ごとのキャラクターがはっきりしていて非常に美しく、親しみやすい曲です。
この曲は、ピアノ伴奏もかなり技巧的で難しく、二重奏としてとらえるべき、と感じるほどスケールの大きなものとなっています。
フルート版、チェロ版もあり、どの楽器においても頻繁に演奏されています。
④エルガー ヴァイオリンソナタOp.82(1918)
千秋の実家にてのだめと千秋が合わせた曲。
前衛的な作品であふれていた頃、エルガーはあえて古典的、保守的なこの作品を書きました。
この曲が完成する前に、献呈するはずのマリー・ヨシュアが死去しました。
それに影響され、最終楽章には第2楽章の中間にあらわれる表情豊かなヴァイオリンの旋律を回想として取り入れています。
・のだめカンタービレ6巻を読んでの感想
のだめみたいに変な奇声を発する人、音大生に実際いたなぁと感じます。
「ぎゃぼ」とか「うきゅ」とか。
ちょっと宇宙人ぽい人とか。
のだめも、私の知り合いも、決してぶりっ子じゃなくて、それが彼女たちの素なのです。
そういう人たちはきっと、表裏なく心がキレイに違いありません。
遠くからそっと見守ってあげましょう。
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