演奏は演技。良いタッチで多様な音色を出すには。ドイツで学んだこと

以前の記事で、音に対しての追求。ピアノで綺麗な音を出すためには?という内容を取り上げました。今日はその続編になりますが「ピアノの鍵盤のタッチの仕方」についてお話します。

良いピアニストとは、「多様な音を出せて色々な者に化けることが出来る人」だと私は思っています。

「演奏」という字は、「演じる」、「奏でる」から出来ていますよね。ですから、「演奏」は「演技しながら奏でる」ことなのです。

歌手に置き換えると、一人の人間なのにその曲や場面の雰囲気に合わせて別人のように多様な種類の声を出せる人のような感じで。

耳に不快を覚えるような汚い音は聴いていて不快なだけですが、時には美しい音だけでなく、勇者のマーチのような元気いっぱいのポジティブな力強い音だったり、雑音のような音や曲中怒りをあらわしている場面が出てくることもあるので怒ったような鋭い音、悲しい場面は泣いているような音だったり、ネガティブな音。

ピアノはそういった色々な種類の音を出すことが出来るのです。

多様な音を出すには、状況に合わせたさまざまなタッチで弾くことが大切です。良いタッチをするにはどうすればいいでしょうか?

ピアノは鍵盤を指で押すとハンマーが弦に当たって音が出る仕組みになっています。その、ハンマーが弦にあたるまでの速さが速いか、遅いかによってピアノの音色や大きさは変わってきます。それをうまくコントロール出来るようになると、多様な音が出せるようになります。

ドイツにレッスンを受けに行った時、私の担当の先生はロシア人の可愛いぽっちゃりおじさんでした。

2週間のあいだに4回のレッスンがありましたが、そのぽっちゃりおじさんから最後まで言われ続けたことがあります。

それは「nehmen!(ネーメン)」です。これはドイツ語で、英語で言うと「take」になり、「取る」という意味です。「音を取るように弾く」ということを最後まで言われ続けました。

ぽっちゃりおじさん先生(何度も失礼ですが…)はすごく神秘的で、天国に行ってしまうのではないか…というような音の持ち主でした。音を取るように弾いていたからでしょう。

この表現って、すごく難しくて、私自身まだ理解しきれていないところもあるのですが、鍵盤を押すのではなく、鍵盤の上に付いているものを優しいタッチで取るイメージです。言葉に表すのは難しいですね。

でも、私自身それを実践しておかげさまで結構音質が変わってきたと感じています。ぜひお試しあれ。

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