言葉のアーティスト!住野よる「また同じ夢を見ていた」あらすじ感想

最近お気に入りの本が増えたので、ご紹介します。

「また、同じ夢を見ていた」

住野よる

住野よるさんの存在は「君の膵臓をたべたい」で知り、私はとんでもない衝撃を受けたので、
他の作品も読んでみたいと思い、今回「また、同じ夢を見ていた」を手に取りました。

「君の膵臓をたべたい」は、最後のシーンで悲しくて切なくて大号泣してしまったのですが…読んでよかったと思える作品です。
内容を忘れたら、また読み直さなければ…と思うほどです。

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優先順位のつけ方、今やるべき事「君の膵臓をたべたい」の感想

いっぽうで「また、同じ夢を見ていた」は、読んだあととても幸せな気持ちになれる本です。
「君の膵臓をたべたい(以下、きみスイ)」とはちがう涙が出てきました。
どちらかというとうれし泣きです。

〜「また、同じ夢を見ていた」の内容〜

ここで内容をご紹介しておきます(ネタバレなし)。
主人公は小学生の女の子、小柳奈ノ花(こやなぎなのか)ちゃん。

読書が大好きで、とてもかしこくて、自分でも自分がかしこいと思っています。
口癖は「人生とは〜」。

周りのクラスメイトのことは見下しています。
そのせいで、学校の友達はほとんどいませんでした。

そんななのかちゃんにも大切なお友達がいました。

放課後にはお友達のところに遊びに行きます。

お菓子作りが上手な「おばあちゃん」。
季節を売るお仕事をしている「アバズレさん」。
ひとりぼっちで物語を書いている高校生「南さん」。

3人とも、なのかちゃんにとって人生の先輩です。

皆別々のところにいるので、その日によって誰のところに行くか場所を決めます。

国語の授業で、「幸せとはなにか」について考えて発表しなければならず、なのかちゃんは一生懸命考えます。
とても難しい課題なので、おばあちゃん、アバズレさん、南さんにも相談して良いヒントをもらいながら、少しずつ大人に向かって成長していきます。

なのかちゃんは、それぞれのお友達にもそれぞれの人生、悩み、やり残したことがあることを知ります。

なのかちゃんがそれぞれのお家に訪れることで、おばあちゃん、アバズレさん、南さんひとりひとりも自分なりに「人生」や「幸せ」について考えるようになり、新たな発見をしていきます。

本の後半、どんでん返しがあります。

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〜この本を読んで感じたこと〜

小学生が主体の文章なので、非常に読みやすいです。

中学生くらいでも読める文章だとは思いますが、大人にこそ読んでもらいたい作品なのでは…?と感じました。

なのかちゃんはとても頭のいい小学生なのですが、純粋で、不器用なところもあって、感受性がものすごく豊かな女の子です。

とてもかしこいけれどちょっと足りないところもあるので、そこに気づいていない彼女をすごく可愛いなと私は感じました。

人生の先輩であるお友達のおばあちゃん、アバズレさん、南さんがアドバイスをくれて、心を成長させていくなのかちゃんを応援したくなりました。

日常生活をしていて当たり前と感じることはどれだけ幸せであるかということ。

「幸せ」とは何か、「人生」とは何か。

大人になった今、気がつけばなのかちゃんと一緒に考えている自分がいました。

主人公が純粋で幼いなのかちゃんだからこそ、
初心に戻ってあらためて生きるうえで大切なことを考え直すことができたような気がします。

〜お気に入りの名言〜

何よりも、この本には、なのかちゃん自身が感じたことや、お友達の言葉など、

あらゆる場面で面白い名言がたくさん出てきます。

あまり挙げすぎるとネタバレになってしまうので、、ネタバレにならないように私のお気に入りの名言をあげましょう。

・南さんの思う「幸せ」
「幸せとは、自分がここにいていいと認めてもらえること。」

・アバズレさんの思う「幸せ」
「幸せとは、誰かのことを真剣に考えられること。」

・おばあちゃんの思う「幸せ」
「幸せとは、今、自分は幸せだったと言えること。」

そして、なのかちゃんの口癖である「人生とは〜」という言葉もたくさん出てきます。

・人生とはプリンみたいなもの。(甘いところだけではなく苦いところを欲しがる人もいる)
・人生とはかき氷みたいなもの。(好きな味はたくさんあるけれど、お腹を壊すため全てを食べることはできない。究極の選択を迫られた時)

などなど。

「ん…?」となってしまうものも中にはありますが、なかなか面白い発想です。

〜住野よるについて〜

住野よるさんの本はまだ2冊しか読んでいませんが、「君の膵臓をたべたい」、「また、同じ夢を見ていた」を読んでみて、
言葉の魔法使いのような人だな…と、感じました。

とにかく言葉の使い回しがすごくて、素敵です。
自分もあんな風に言葉をあやつれたらいいのになぁ…と憧れます。

2作とも、登場している女の子がすごくキラキラしていて可愛いので、作家の住野よるさんは女性だと勝手に思っていたのですが、
どうやら男性のようだということが発覚し…!すごくびっくりしました。

そしてもうひとつすごいのは、絵も写真もないのに文章の力のみで読者に
「可愛いキラキラした女の子」を想像させることができること。

そもそも、どうすれば大人の男性が小学生の女の子になりきれるのでしょうか?

この本に登場する可愛い女の子、なのかちゃん。

私は特に、なのかちゃんとアバズレさんのやりとりが好きです。

お気に入りのシーンを2つ抜粋します。

・お姉さんの家の表札に、乱暴に「アバズレ」と書かれていたのを見て、なのかちゃんはこう言います。

とても不思議な、まるで日本人じゃないみたいな名前。

「えっと、アバズレ、さん?」

お姉さんはきょとんとしました。

どうして私がお姉さんの名前を知っているのかと、びっくりしたのでしょう。

アバズレさんはわっはっはっはと大笑いしました。

それがどういう意味の笑いなのか、私にはとんと分かりませんでした。でも楽しそうなのはいいことなので、私も一緒に笑うことにしました。

「あっはは、それでいいよ。」

「外国の人なの?」

「いいや、日本人だよ」

「へぇ、珍しい名前ね」
引用元:また、同じ夢を見ていた

・また、なのかちゃんはアバズレさんの職業について、興味津々です。

アバズレさんは、私が眠った後に始まって起きる前に終わる、不思議なお仕事をしています。

私はアバズレさんの仕事をきちんとは知りませんが、

暗い時に働いて明るい時に寝るなんて私には出来ないので、

それだけでも尊敬してしまいます。

前にどんな仕事をしているのか訊いた時、

アバズレさんは笑いながら「季節を売る仕事をしてるんだ」と言いました。

その響きに私は、きっとそれはそれは素敵な仕事なのだろうなと思いました。
引用元:また、同じ夢を見ていた

ド素人の私からしたら本当にすごいことだなと思うのです。

私はこのブログを書くときにも、何かを伝えたい強い気持ちはあって頭の中では出来上がっているのだけれど、
それを文章にして完全にまとめるのがなかなか難しい…と感じることが多いです。

どうしたらこんな風に、文章だけで「可愛いキラキラの女の子」を描けるようになるのでしょうか?!不思議です。

住野よるさんは可愛い女の子を描くことが上手なので、ちょっと少女漫画チックなところもあるのですが(実際「きみスイ」はアニメ化もしましたし)、
ぶりっ子な感じとはまた違って、極めて自然体でキラキラしていて素敵なのです。

そして、どこかおとぎ話のようなところもある反面、訴えたいことは非常に現実的だと、本を読んでいて感じます。

私はそういったところに住野よるさんの魅力を強く感じます。

音で表現する私からすると、言葉で多様な表現ができるってすごくうらやましいと感じます。
住野よるさんを「言葉のアーティスト」と呼ばせていただきたいです。笑

向き不向きはあるのかもしれませんが、女性だけでなく、男性にも読んでほしい本だと感じます。
この本をたくさんの人に読んでもらえると私も嬉しいです!

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