ピアノ演奏、発表会で上手く弾くための練習にも役立つアリとムカデの話

当たり前のように弾けていた曲が、
本番前になると急に弾けなくなることってありませんか?
こんな話を聞いたことがあります。
アリさんはムカデさんに
「君は足がこんなにたくさんあるのに、どうしてそんなに上手に歩けるの?」
と聞きます。
そこで、ムカデさんは自分がどうやって歩いているのか、生まれて初めて考えます。
すると、考えすぎたせいで歩けなくなってしまうのです。
「歩く」という、日常的にできている当たり前の事が、その方法を考えることで、出来なくなってしまう。
みなさんもこのような経験をしたことがありますか?
これって、恐ろしいことだと思うのです。
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私にも似たような経験があります。
身近な例で言うと、
我が家のポストはダイヤル式になっていて、「○番→△番」というように、くるくる回してロック解除をしてあけるのですが、毎日ポストを無意識に開けていました。
ある日、父親に
「ポストのダイヤルを教えて」
と言われた時に、私は
「えっと…何だったっけ?!」
まさかの、答えられませんでした。
初めのうちは意識的でも、毎日当たり前のようにやっている簡単な作業が、手が覚えてしまって無意識にやっている為に人に説明できないのです。
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本番前の「アリとムカデ現象」
また、ピアノの練習、上達への道のりにおいても「アリとムカデ現象 (勝手に名付けました)」は、とても重要な例です。
例えば発表会、演奏会など本番前になると、緊張や不安から、自分自身の演奏に神経質になるのは多くの人が経験することかと思います。
そうすると、今まで当たり前のように弾けていた曲が
「あれ、次はなんの音だっけ?」
「あれあれ、これでいいんだっけ?」
と急に弾けなくなったりするのです。
これは、まさに「アリとムカデ現象」だと私は思っていて、「無意識的→意識的」になったから起こることですよね。
本番前にそれに気がついて落ち着いて意識的なゆっくり練習や部分練習をすればギリギリセーフでしょう。
本番中にそれが起こってしまったら。。。考えるだけでも恐ろしいです。。笑(経験あります。)
もちろん、そういった失敗は次に活かせばいいのですが、できればそうならないように、普段から意識的な練習をするといいですね。
特にピアノは指の動きが非常に細かいので、無意識な練習だけをするのは危険です。
普段から意識的にゆっくり、じっくりと指を動かす練習は、いいパフォーマンスへの近道となります。
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ピアノを教える際の「アリとムカデ現象」
私はピアノ講師をしていますが、ピアノを教えるようになってからこの「アリとムカデ現象」は本当に実感します。
私は20年以上ピアノを弾いているので、ピアノを弾くということは歯磨きしたりお風呂入ったりすることと同じくらい習慣的になっていて、無意識的になっていることもたくさんあります。
それはいい事でもありますが、自分が無意識に出来ていることを、生徒達に教えるということはとても難しいです。
なぜ、自分はこれが出来ているのか?
どうして出来るようになったのか?
自分の過去を遡ったり、それぞれの生徒の性質を見極めて、自分との違いを考えたり。
とにかくよく考えるようになり、今は発見の毎日です。
そういう点でも、教える立場になることができて良かったと感じています。
身近な人にも意識的に感謝を忘れずに
また、ピアノのみならず、普段から一緒に過ごしている家族や友人など、いつも一緒にいるとどうしても空気のような存在になってしまったりします。
それも、「アリとムカデ現象」に近いものがあるのではないでしょうか。
あなたにとって大切な人には変わりないはずです。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉もありますが、いつも一緒にいる人にこそ、常日頃から感謝の気持ちを忘れないようにしたいですね。